どうも!やや旬をすぎた島バナナ感がなくもないのですが…
映画、バットマンvsスーパーマンについて、あれこれと評を論じてやりたいなと思っています!

ヒーロー映画の歴史にまた新たな点が打たれたことにより
村祭りばりの興奮があちらこちらで盛り上がっているのを見かける今日この頃ですが

映画としての賛否の評価は…
それほどふるわない様子です

TBSラジオの週刊映画時評ムービーウォッチメンでも
映画通なリスナー達の評価は賛が二割程度でまぁまぁが三割、残り半分は否定的な感想だったようです。

各々の映画評価サイトでもそれほど星の数は多くありません。アメコミ好きな漫画家友達も、「まぁ楽しかったけど…」と言いながら首をかしげまくっている始末でした。
正直…
よくわかります。

上映時間が長い。前半は期待させて後半が凡。キャラクターに感情移入しずらい。
原作を知らない人達からしたら何がなんだかわからないシーン多すぎ。登場人物全員バカ!
スーパーマンがもっとポジティブでないとスーパーマンらしくないからキャラとして違う!
マーベルシリーズと対比して暗すぎ。二人が対決を止めるある”原因”が、ダメ!
(引用…町山智浩の映画ムダ話、ムービーウォッチメン、セッション22、アメコミ好きの友達、世論)


等と言った意見が見受けられました。この全てに共感出来る反面…
それでもおれは好きだ!そしてこの映画はおもしろい映画だ!!
と完全擁護派の僕が舞台に現れるわけです。手には盾を持ち、全力でこの映画を庇い、擁護するワンダーな男が現れました!はいっ!ここで音楽


(ワンダーな僕がギリギリの所で駆けつけて現れたイメージ)


まずはこの映画のバックグラウンですが
現代の映画を歴史的な視点で見た時に、ヒーローものというジャンルが何作も連なりシリーズ化して莫大な規模と予算で作られているという状況は絶対に後世代に語り継がれていく現象だということです。

マーベルコミックというレーベルの『アベンジャーズ』ヒットによって僕たちは今、大ヒーロー映画時代のうねりの中にいるわけです。
この潮流に先駆者のマーベルとは別の出版社DCコミックが加わり、DCコミック所属のヒーロー達もこれから『ジャスティスリーグ』としてドンドン出て行くぜと青筋バッキリ、意気んでいるのが今作『バットマンvsスーパーマン』の超大まかなバックグラウンドです。

そこで僕がこの映画を最も評価したいのはDCコミックの掲げる、問題提起です。
言ってしまえばDCコミック映画の近年にみられる傾向、テーマにとても惹かれていて、その姿勢がこの映画にも貫かれていました。

そのテーマというのが、
ヒーローという存在の再考察、です。
ヒーローって結局なんなの?正義を行使する存在ってそもそもどうなの?巨大すぎる力って怖いものじゃない?そういった投げかけにさらされるヒーロー達を、最近のDCコミック映画は描き続けています。

こういった、ヒーローという子どものスターを大人の視点でニヒルに考察する作品というのはたくさんあるのですがその紹介は割愛して、DCコミックだけに絞りますと

『WATCH MEN』


『ダークナイト』



この2作を代表に選んでみました。
ウォッチメンとは、アメリカの治安を維持するべく、力を持った人間が自警団を組織し社会をウォッチしながら歴史の裏で暗躍する集団。それに対し、誰がそんな力を持ったウォッチメンをウォッチ(監視)するのか?という民衆達の不満にさらされながら、それぞれのメンバーが己の正義に対して葛藤していく話しです。

ダークナイトは、ゴッサムという街を守るナイトだったバットマンに対して、自由意志の化け物ジョーカーが戦いを挑み、ゴッサム市民を次々と危険にさらし、「これはお前のせいだ」と、突きつける話です。バットマンがいなければジョーカーはゴッサムに現れなかった、という皮肉です。


このようにヒーローという力を持った存在への疑問符、に向かっていく作品がDCコミックのブランドとして確立しつつあるんです。
バットマンvsスーパーマンはお互いの正義感の違いに互いが反発し拳を交えることになります。
上記の2作品の監督が手を組んで制作しているのですから、テーマの重なりは必然かもしれません。
3作とも画面全体がダークなトーンで構成されていることが多いです。


たいしてマーベルコミックはわりかしカラッとした雰囲気で勧善懲悪をシンプルに楽しめる作りになっています。キャラクター達が冗談を飛ばし合うやり取りをして、映画館の雰囲気があったかいです。

しかしそんなマーベル、アベンジャーズ派も次回作シビル・ウォーはヒーローとしての互いの考えの違いから内輪内戦が勃発する話しでして、これはかなりヒーロー再考察ものとして楽しみなのですが…。


そんな訳で、ぼくはDCブランドをしっかりと踏襲している、バットマンvsスーパーマンはかなり見物だしおもしろいといいたい!!
シンプルにヒーローを楽しみやすいアベンジャーズマーベルに対しての
ダークなトーンでヒーローのおっさん達が悩みまくるDCコミック、ジャスティスリーグは

王道の魅力とくせのある魅力の対比だと僕は思っています。

きっと今後、マーベルのアベンジャーズとDCのジャスティスリーグ…あなたはどっち派?という街頭アンケートが展開していくことでしょう

セ・リーグ派に対してのパ・リーグ派
iPhone派に対してのAndroid
バンドのギタリストに惚れずあえてのベーシストに行く派
そういった、なんとなく二番手を愛してしまうあなたに、是非DCコミック党への入党をお勧めします!

以上、DCコミックベーシスト説を唱えて終わりたいと思います。